学習法自己診断室
Methodology011【特別篇】東大理Ⅲ現役合格者の横顔―「理数国の盤石」と「英語の早期完成」が分水嶺
本年度,合格した方へのインタビューをお届けします!
東大理Ⅲに合格された方に話を伺うことが出来ました。コレギオ・タマノスの公式サイトに掲載することを快諾していただけたので,今回は「学習法自己診断室」【特別篇】と銘打って,このコーナーで本年度合格者へのインタビューをお送りします。2時間あまり,いろいろな話をさせていただいたのですが,紙面の都合上,最短に縮めて皆さんに,その声をお届けします。

▷ インタビューを受けていただいた人: A.K.さん
三重県の中高一貫校に在籍し,このたび2026年度 東京大学理科三類 の 現役合格された,玉置の英語講座の元受講生。内に秘めた才能をものの見事に開花させた唯一無二の人!!
▷ インタビューする人: M.T.(Masato TAMAOKI)
■2026年度東大入試の攪乱要因:英語の難化!!
M.T.:改めて,東大理Ⅲ現役合格,本当におめでとうございます! 日本最高峰の壁を突破した感想はどうですか。
A.K.:ありがとうございます。ようやく肩の荷が下りた気分です。
M.T.:今年の東大入試は相変わらず数学が難しかったけど,実は「英語」が近年になく大変でしたね。
A.K.:はい。数学も確かに手強かったですが,私は英語が得意科目だったので,もし初日が英語だったら自分としては最悪の出来だったので,そこで心折れていたかもしれません。二日目の最後の英語の試験が終わった瞬間,「これは不合格だ」と,思わず泣いてしまったくらい出来なかったです。
M.T.:今年度の東大の英語は,合格された方も,残念な結果に終わった方も,だれも高得点が取れていないですね。合格最低点が全ての科類で下がったのも,それが要因でしょう。その意味では差がつかなかったにちがいありません。
【M.T.’s Comment】
東大入試に関しては,コレギオ・タマノスに入会していただいた方には,カリキュラムの正式講座として,英語のみならず全教科に亘る詳細な解説講義の動画を間もなく配信します。詳しくはどうかそれをご覧あれ。
M.T.:それでも合格したということは,厳しい状況下で確実に得点を積み上げた証拠だと思います。まずは,その「全教科にわたる盤石な力」をどう身につけたのか聞いていきたいと思います。
■理数国の戦略:特別なことではなく「王道」を極める
M.T.:多くの受験生が苦しむ数学。A.K.さんはどう向き合ってきたんですか?
A.K.:私の中学では進度が少し遅かったので,高1から塾で先取りを始めました。巷で人気の『1対1対応の演習』などは自分には合わないと判断し,塾の講義と『プラクティカ』などの演習書を中心に,「普通の学習」を徹底しました。過去問に本格的に取り組んだのは少し遅くて高3の夏からです。
M.T.:「特別なことはしていない」と言うけれど,それは基礎を疎かにせず,自分に合う教材を信じてやり抜いたということですね。
A.K.:はい。ただ,高2までの模試と違って高3の模試ではなかなか思うように点が取れず,焦ることもありました。でも,「数学が苦手だと自覚してからが本当のスタートだ」という先生の言葉を信じて,めげずに続け,本番では何とか他の受験者の方において行かれることなく,得点がとれたと思います。
【M.T.’s Comment】
数学はめげないことが重要。「数学が苦手だと自覚してからが本当のスタートだ」と,動画でもお伝えしていますが,彼女は正攻法でその壁を乗り越えました。
M.T.:理科についてはどうしてました? 物理・化学は理系の難関大学合格の要だと思うんですが…
A.K.:物理は高1から塾にも行っていましたが,自分でもやりました。高1で『良問の風』,高2で『名問の森』,そして『難問題の系統とその解き方(通称,難系)』と,段階を追って積み上げました。電磁気は最後まで苦手でしたが,それ以外は自信をもって挑めました。化学は学校と塾の教材を愚直に繰り返しました。この理科の安定感が,本番での自信に繋がったと思います。物理は数学に寄ったところがありますが,化学はやった分だけ,確実に得点に結びつくと思います。
【M.T.’s Comment】
私が常々言っている通り,理科は努力が裏切らない。ここを盤石にすることが理系入試の定石です。
■国語こそが最重要かも!
M.T.:そして,私が特に強調したいのはA.K.さんの「国語力」です。
A.K.:小・中・高と見ていただいていた家庭教師の先生が素晴らしい先生で,そこで培った力が大きかったです。実は玉置先生を紹介していただいたのもその先生でした。さらに高2からは無理でしたが,高1は塾で現・古・漢の講義を受けていました。
M.T.:結局,東大・京大レベルになると,日本語の運用能力がなければ英語も理数系も伸びが止まる。A.K.さんが理Ⅲに合格できた根底には,その豊かな国語力があったことは間違いないですね。
■英語の攻略-「高2までの完成」がトップレベル大学現役合格への唯一の道
M.T.:さて,英語の学習はどうしました。
A.K.:はい。「英語は”三流科目”だ」という先生の言葉,最初は驚きましたが,今はその意味がよく分かります。後はもう先生に言われた通りのことをやっただけです。
【M.T.’s Comment】
「英語は三流科目」については,「英語は最重要科目は,正しいか」「「英語をやりなさい」と,言ってはならない!」の動画をご覧あれ。なお,この後,英語学習についていろいろしゃべりましたが,そこは今回はカット!! 英語学習については,入会していただいた方のための正式講義の動画で思う存分語っています。
M.T.:英語は「計算が立つ」科目にしなければならない。しかも,高2の終わりまでに,どこの大学の問題でも十分に対応できる潜在的な英語力を完成させておかないと,3年生になったら後はアウトプットの学習さえすればよい,にならない。これが出来ていて初めて,高3の全時間を理数系の高難度演習に捧げることができることになりますね。
A.K.:実際,高3になってから英語に追われていたら,理科や数学の深い演習をする時間はなかったと思います。「早めに終わらせる」ことが,最難関大学突破の絶対条件だと実感しました。
■受験は「ニンテンドーのゲームより壮大なイベント」である
M.T.:今までの話を伺うと,一体,いつ寝ていたんだ,物理的に不可能なんじゃないかとも思われるのですが,友だちにA.K.さんは一日が48時間あるんじゃないかと言われたそうですね(笑)。高校生活を振り返って,勉強漬けで辛かったという感覚はあるのかしら?
A.K.:もちろん気持ちの浮き沈みはありました。高2で周囲に抜かれたことがあり,少し焦りましたが,それこそ良きライバルで,「絶対に負けたくない」という一心で前を向いて一歩一歩進んでいきました。
M.T.:その「負けず嫌い」こそが最高のエンジンですよね。
【M.T.’s Column】
こういう話を聞くと”ガリ勉”と思うかもしれないが,そんなことはない。受験というのは,語の正しき意味において「ゲーム」なのだ。それも,ニンテンドーなんかより遥かに壮大で遠大な,知略と体力を尽くすエキサイティングな一大イベント。これについては公式サイトの『格言・名言・俚諺で考える学習法大全』で今度詳しく書くから,期して待たれよ。
A.K.:そうですね。私が辛いときもやり続けられたのは,結局「どうしても理Ⅲへ行きたい」という気持ちがあったからだと思います。実は,「理Ⅲでこれをやりたい」という具体的な目標が先にあったわけではないんです。ただ,目指すなら頂点を見てみたい,その壁を乗り越えたい。その意志があったから,最後まで走り抜けられました。
M.T.:素晴らしい! 目的を前にして「山があるから登る」という本能的な感覚,それこそが困難な受験勉強を支える純粋な動力源だと私も思います。将来の展望なしに大学志望してはならないなんてよく言うけど,そうかしら? 純粋な知への乾き,知らないことは全部知り尽くしてやる,みたいなのが一番大切だと思うんだけど…。さて,A.K.さんは「目指すなら頂点でありたい」という意志で理Ⅲを掴み取った。晴れて合格した今,将来の展望は?
A.K.:漠然としていますが,「格好いいこと」がやりたいです。たとえば脳神経外科医などは,凄く格好いいなと。留学にも挑戦してみたいです。
【M.T.’s Column】
カッコイイってことはとても大切です。”装いせよ,我が魂よ”ってホント大事ですぞ。
M.T.:「格好いい」は最高のモチベーションです。A.K.さんならどんな困難に直面しても必ず乗り越えられると私は信じて疑わない。どうかあなたの未来が輝かんことを! …なんですが,最後に,必ず合格者に聞いている質問,これを聞かずには終われない。…..単語帳,何冊やりました?
A.K.: あ,はい,7冊です! 後,直前期に2冊追加して,さらっと見ました。
【M.T.’s Column】
「単語帳は5冊やれ!!」と,常日頃,口が酸っぱくなるほど騙っている某元予備校講師がいますが,またもやそれが証明されました。”三流科目”の英語をさっさと終えるための最高の秘訣は,結局,単語を憶えることにつきます。これも近々本気になって語りたいと思っています。
M.T.:(満足そうに頷く)今日は本当にありがとう。A.K.さんの歩みは,後に続く受験生にとって大きな希望に必ずなります。
A.K.:ありがとうございました。最後に一つだけいいですか….. 受験生の皆さん,玉置先生の講義は本当にお薦めです!
M.T.:おお,もっと言って! もっともっと(笑)。
A.K.:(笑)。私の経験が,少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
M.T.:最後に,後輩たちへ一言。
A.K.:理Ⅲを目指すのに,特別な才能は必要ありません。ただ,「頂点に到達するのだ」という意志と,そして何より「英語を早く完成させること」。これだけは,絶対に間違いないことだと思います。英語は今すぐ始めてください!
M.T.:最高の締めくくりですね。今日は本当にありがとうございました!
<インタビューを終えて>
【保護者の方々へ】
これ以外の話で印象深かった話は,「私は恵まれていた」という話です。やりたいことは勉強の環境も含めて,何でも与えてくれたそうです。
世の中,なかなか厳しい状況です。お子様が願う学習環境をなんでもかんでも惜しみなく,という訳にも参りますまい。
だからこそ,です。保護者の方に必要なのは,何が本物で何が怪しげな売り文句なのかを正確に見極める力。ホント,ときどき,いや至る所に,あり得ないような学習法やら受験対策が転がっています。そういったフェイクにゆめゆめ騙されないようにしたいものです。
【受験生の皆さんに】
受験という壮大なゲームで次から次へと“ステージ”を上げて行くのに最も重要なことは,理系志望であれば不確定要素の多い理数系科目に掛けるための「時間」を,英語の早期完成によって捻出することです。
中3・高1・高2の今こそ,一歩を踏み出す,まさにその時です。
あなたにとっての「我が心のトーダイ」を,コレギオ・タマノスで見つけてください!!
【最後に】
急いで付け加えておきますが,彼女と話していて素敵な気持ちになれるのは,そのディーセントな応答です。私のこれまでの経験から,確たる自負を備えつつ,だからこそ最も控えめに,自らをそして世界を語ることが出来る方たちが東大に合格できた人たちです。つくづく受かるべくして受かった人だな,と納得の2時間でした。